人は、年齢を重ねるにしたがい、身長が縮まり、背中や腰がまがってきます。高齢の方に多い骨折や腰痛の原因となっているのが、近年、ことに注目されている病気、骨粗しょう症です。
骨からカルシウムが溶け出してもろくなり、容易に骨折するようになってしまうのです。高齢者の腰痛の2大原因は、この骨粗しょう症と変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)といわれるほど、現在、日本では問題になっている病気です。
骨粗しょう症の場合、骨の組成は正常で問題はないのですが、骨量が減少することで骨がもろくなります。
骨粗しょう症は、脊椎骨(せきついこつ)、いわゆる「背骨」に早く現れます。進行すると、圧迫骨折(あっぱくこっせつ)(*参照)を起こしやすくなります。足の付け根や手首、腕の付け根の骨折が多く見られます。足の付け根の骨折は、高齢者の寝たきりを招くことが多く、注意が必要です。お年寄りにとって寝たきりは痴呆を招くことにもなりかねません。
*圧迫骨折(あっぱくこっせつ)・・・骨の上下方向に圧力が加わったときに生じる骨折です。かかとを強く打ったときに、骨折を起こすことがありますが、これは長管骨(ちょうかんこつ)の圧迫骨折です。
☆骨粗しょう症の種類
骨粗しょう症には、「閉経後骨粗しょう症」と「老人性骨粗しょう症」があります。
「閉経後骨粗しょう症」・・・骨粗しょう症のなかでもっとも多く見られるタイプです。閉経後5年から10年で現れます。
「老人性骨粗しょう症」・・・高齢者にみられる骨粗しょう症のタイプです。特に痩せ型の50歳以上の女性に多くみられます。
骨粗しょう症は、60歳の女性の半数、70歳の女性の約6割に認められるといい、女性は特に注意が必要です。女性はもともと男性よりも骨量が少ないうえに、閉経後、ホルモンの変化によって急に骨量が減少するのです。
日本には、現在、500万人以上の骨粗しょう症の患者さんがいらっしゃるといわれます。心臓病や高血圧、がん、それに肥満、といった、ほかの多くの成人病と同様、骨粗しょう症も若いうちから、食事や運動などの生活習慣を見直し、予防していくことが大切です。
過度なダイエットや運動不足、逆に運動のしすぎ、喫煙、お酒の飲みすぎ、また女性では生理不順を招くような生活は、骨粗しょう症を招きます。
現在、成人病検診では、骨粗しょう症の診断もおこなう場合が多いようです。40歳を過ぎたら、定期的に骨量の測定を受けるようにしましょう。
骨粗しょう症の診断はどのようにおこなわれるのでしょうか?
骨粗しょう症の診断は、主に次の方法があります:
・X線・・・骨の陰影の濃度や骨梁の形状から判定する方法です。
・CTを用いる方法。
・アイソトープやX線の吸収度で測定する方法。
・超音波を用いる方法。
なかでも特に骨量の正確な把握に有力なのが、「DXA法」と「QCT法」です。
・「DXA法」・・・X線の吸収度から測定する方法。
・「QCT法」・・・CTを用いる方法。