人間の骨量は、骨格の成長とともに20歳ぐらいまでぐんぐん増加します。成人期にピークを向かえ、その後、中高年期になると徐々に減少していくのが一般です。
したがって、高齢になって骨粗しょう症にならないためには、この成人期のピークをいかに高くもっていくか、と、中高年期以降の下降をいかに食い止めるか、が大切なポイントとなります。
*成人期のピークの骨量を「ピーク・ボーン・マス=最大骨量」といいます。
たとえば、もっともカルシウムを多く必要とし、成長しなければならない少年期や青年期に無理なダイエットをしたり、過度の運動をすると、高めなくてはならないピークが、低いままで終わってしまうことになります。また、おやつにスナック菓子ばかりを食べていると、スナック菓子をはじめとする加工食品に多く含まれるリンがカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
また、特に女性の場合、閉経期以降に骨量が減少します。ここで日ごろの生活をいかに過ごすかでも、「骨粗しょう症危険度」が格段に違ってきます。
骨粗しょう症は50歳以上の女性に特に多く見られ、一般に、60歳以上の女性で腰が曲がっていたり、慢性的な腰痛がある場合、ほぼ骨粗しょう症であるといえるようです(正確な診断は、X線所見により確定します)。
しかし、どうして女性にこれほど骨粗しょう症が多く見られるのでしょうか? 実際、40歳以上の発症頻度は、男性の3.7パーセントに対して、女性では13.1パーセントといいます。ほぼ4倍というから驚きです!
第1に、女性は、もともと骨が細く、骨量が少ないことが原因しています。また若い頃からダイエットをしたり、運動量が少ないということもカルシウム不足やカルシウムの骨への蓄積を少なくする原因となっています。
カルシウムの貯蓄量は、男性の3分の2から4分の3くらいしかないといわれます。しかも女性は、妊娠や出産で、カルシウムを子どもに与えてしまうということ、そして閉経を迎えて更年期になると、女性ホルモンの分泌がとまってしまうことがあげられます。
閉経を迎えると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が激減します。この女性ホルモンは非常に強力なホルモンで、骨をつくる細胞のはたらきを活発にし、腎臓での活性型ビタミンDの合成を促進する作用もあります。
高齢になると、ただでさえ、腎臓の働きが衰え、活性型ビタミンDの合成能力が衰えます。女性の場合、ホルモンの関係でこれにさらに拍車がかかって、ますます活性型ビタミンDが合成されなくなり、カルシウムの吸収が難しくなってしまうのです。
食事でカルシウムを摂取することはもちろん大切ですが、家に閉じこもってばかりいて、身体を動かさないと、せっかく摂取したカルシウムを骨に蓄えることができません。また、アルコールの飲みすぎは、カルシウムの吸収を悪くするだけでなく、カルシウムの吸収を助ける働きをするビタミンDの作用を抑えてしまいます。
成長期には少しでもピークを高くするためにカルシウムの摂取とその定着に留意し、40歳をすぎたら、今度はせっかく高めたピーク時の骨量を減らさないように、またできることならさらに高めるくらいの気持ちで骨粗しょう症対策に取り組みましょう。